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無駄な残業(生活残業、カラ残業、ダラダラ残業)削減のアイデアとは?

Q. 同じ部署の他の従業員が退社しているにもかかわらず、いつも一人だけ遅い時間まで残業をしている従業員がいます。業務量は他の従業員と同じ程度なのですが、日中の仕事ぶりを見ていると効率が悪いようで、会社にとっては無駄な残業としか思えません。実際、この社員に支払っている残業代の多さは社内でも目立って多く、他の従業員からも生活残業、あるいはカラ残業だと批判が出ています。そこで当人に確認したところ、仕事で用いる資料の作成や書類の整理にあてているそうで、決してカラ残業ではないとの反論が帰ってきました。しかし、会社としては無駄な残業という評価は変わらず、どうにかこの従業員の残業を止めさせる方向で検討しているのですが、なにか良いアイデアはないでしょうか?


A. ご質問の従業員の方については、独りよがり、または自己満足的に残業をなさっている状況かと思います。残業代だけがかさんで仕事の成果につながらないのであれば、賞与の支払い時に成果に応じて支給する賞与額から、会社が無駄と判断した残業代の額を控除する取り扱いも一案です。この方法であれば、生活残業、ダラダラ残業などを行った従業員と通常の勤務時間で勤務を行った従業員とのバランスをとることが可能です。あるいは、残業の許可制を徹底し、許可のない残業は会社として認めず、いっさい残業代を支給しないという扱いも有効です。会社が必要と認めた残業については許可または命令して行わせるものとします。会社の許可が必要といいながら、実際には無許可の残業を注意しないでいるケースがよく見られますが、これでは会社が残業を黙認したものとみなされ、残業代の支払いが必要となってしまうので、運用にあたっては注意を徹底しなければなりません。


1.ダラダラ残業、付き合い残業の削減に向けたアイデアとは?


① ダラダラ残業には裁量労働制の導入が有効
無駄な残業のなかで最も多いのが「ダラダラ残業」です。従業員が所定労働時間内に仕事を終わらせる意識が希薄で、たとえばインターネットやタバコ休憩、雑談などに気を散らし、ダラダラと集中せず仕事を行っている状態です。終業時刻が過ぎた後も職場に留まり、ダラダラと仕事をせず、プライベート的な時間を過ごすケースもあります。生活残業やカラ残業のように本人に悪意はないのかもしれませんが、長時間会社に留まることが施設管理上のリスクを生じさせたり、電気代などのコスト上昇につながることもあるため、是正すべき行為といえます。ちなみに、スケジュール管理が杜撰なせいで納期間際に長時間の残業が発生する「成行きまかせ残業」もダラダラ残業の類型です。ダラダラ残業となりやすい仕事は労働時間管理やスケジュール管理を従業員本人の裁量に委ねる環境であることも多く、条件が合致すれば、専門業務型または企画業務型裁量労働制の導入が有効といえます。

② 付き合い残業にはノー残業デーなど、全社的な啓発が必要
同じ職場の上司や部下が残業していると帰りづらいため、ついつい付き合って自分も残業をしてしまうことを「付き合い残業」といいます。業績を上げている同僚が残業をしているので、やむなく残業に付き合ってしまう「罰ゲーム残業」も付き合い残業の類型です。当人にも相応にやるべき仕事があれば無駄な残業とはいえませんが、動機が他人への付き合いに発しているところからして、残業自体が目的となってしまっており、ダラダラ残業のように無為に時間を過ごしがちです。会社側や上司が付き合い残業の存在を把握しながら放置している事が多いため、まずはノー残業デーなどを設け、全社的に無駄な残業を行わないようにする雰囲気を作っていくところから始めるのがよいでしょう。



2.生活残業、カラ残業の削減に向けたアイデアとは?


① 生活残業には最初からみなし残業代を支払ってしまう
「生活残業」とは、従業員が所定内給与だけでは生活費に足りないため、残業を行って所定外給与で不足を補うという行動です。本来ならば所定労働時間内に仕事が終わらないためにやむを得ず残業を行うのであって、それ自体が目的となってしまっては本末転倒です。一人の従業員の生活残業を見逃すと、他の従業員が不公平と捉えることがあるとともに、通常の労働時間における労働が希薄化してしまうので、何とか止めさせたいところです。しかし、会社が支払っている給与では生活費に足りないというのが生活残業の動機ですので、単純に生活残業を禁止すると従業員の手取り給与が下がり、生活に支障が出てしまうことも考えられます。これらを踏まえた対策としては、あらかじめ労働契約において一定時間の残業を行うことを前提とし、その分のみなし残業代を支払う方法をとります。みなし残業代を基本給に上乗せした分は持ち出しとなりますので、その分は翌期以降の昇給分を原資とします。みなし残業代を支払う代わりに、その時間を超える残業を一切禁止とすることで、手取りを維持しながら生活残業を抑制することができます。


※みなし残業代の支給例

みなし残業代の支給例


② カラ残業は犯罪であることを明確にし、就業規則において厳罰とする
「カラ残業」とは、実際に残業を行っていないにもかかわらず、タイムカードの不正打刻を行うなどして残業時間を水増しし、不正に残業代を受け取ろうとする行為です。無駄な残業と言うよりは会社に対する直接的な詐欺行為でして、刑法犯の対象ともなります。カラ残業が生活残業のごとく残業代により手取り給与の不足を補填する意味合いで(あるいは組織的に)行われる場合もあり、これを放置していると賃金制度の形骸化にも繋がってしまう危険な状況といえます。就業規則においてタイムカードの不正打刻などを厳罰とし、カラ残業が犯罪であるということを周知していく必要があります。



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