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残業代請求対策を事前に行うことでコスト削減!

Q.知り合いの経営する会社で退職した従業員から多額の残業代を請求され、結局数百万円を支払うことになったという話を聞いたのですが、当社でもそのようなことは起こりうるのでしょうか。可能ならば、今から対策をとって後から残業代を請求されないようにしておきたいと思います。


A.当事務所では従業員から残業代の請求があってはじめてご相談をいただくことが多いのですが、まだ残業トラブルが発生していないのであれば、事前に対策をとることで、いざ残業代を請求されてから対応するより大きな効果をあげることができます。以下に、当事務所でお勧めする残業代請求対策をご紹介いたします。関連するQ&Aもあわせてご紹介しておりますので、ぜひ残業代請求対策のご参考になさってください。


① タイムカードまたは出勤簿で出退社の時間を記録し、突き合わせる。

労働基準法でも設置が義務づけられており、労働時間管理の基本と言えるタイムカードですが、意外に設置していない会社が見受けられます。労働時間を把握せず放置しておくと、従業員がメモ書きなどを根拠に請求してきた残業代が労働基準監督署や裁判などの場において、そのまま認められてしまうリスクがあります。日々の労働時間はしっかりタイムカードまたは出勤簿で把握し、記録するとともに、間違いがあればその都度指摘して修正しましょう。月ごとに会社と従業員で勤務時間の突き合わせを行い、お互いの確認のもとに、捺印またはサインを徴収する措置が有効です。

参考Q&A

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② 命令・許可のない残業は一切認めないようにする。

従業員が所定労働時間に続けて勤務を行ったが、会社の指示によるものではないから残業ではないという主張は残業代請求を受けた会社側からよく聞かれますが、労働基準監督署や裁判所は、会社が特に残業を禁止していなかった場合には残業を「黙認していた」と判断し、その時間に対応する残業代の支払いを命じる傾向にあります。そこで、日頃より残業を一律に禁止し、残業許可書および残業申請書などの書面において、会社(上司)が命令または許可した残業以外は認めないものとします。これを徹底することにより、会社の意図しない残業をゼロとすることが可能になります。

参考Q&A

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労働基準法による労働時間と休憩時間のボーダーとは?

残業代請求に対し、時効などで 支払わない方法はあるのか?


③ みなし残業時間と固定残業代を設定する。

労働契約書や就業規則にみなし残業制度の記載はあるものの、いざ残業代を請求された場合に不備が発覚し、何の役にも立たないといったことが多く見受けられます。労働契約を結ぶ際に、一定時間の残業を行うこと(みなし残業)を前提とし、一定額の残業代(固定残業代)を支払うという定めを行わねばなりません。導入によって、一定時間までの残業は行っても行わなくても月々の給与額は変わらないこととなるため、日々の細かい残業を抑制する効果が期待できます。なお、残業を行わせるニーズがあるが、支払いを増やすことができないといった場合には、基本給を減額してその分を固定残業代に充てることとします。その場合は労働条件の不利益変更となるため、労働契約書などで従業員の同意を得ることが必要となります。

参考Q&A

みなし残業制度を導入する際の計算方法とは?

固定残業代を会社にとって有利に設定する方法とは?

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④ 労働基準法上の管理職への該当を確認する。

従業員が「労働基準法上の管理監督者」であれば、労働時間の計算の対象とならず、そもそも残業代を支払う必要はありません。従業員が管理職であればぜひ管理監督者としたいところなのですが、単に管理職であれば残業代を支払う必要がないということではなく(よく誤解されるところです)、以下に定める条件をすべてクリアした場合のみ労働基準法上の管理監督者と認められ、労働時間の計算および残業代の支払いの義務が免除されることとなります。およそ大企業の部長クラスか、中小企業では役員に準じる立場となるため、いっそ役員としてしまう方が分かりやすい場合もあるかもしれません。


・経営者と一体の立場にある者であるかどうか
→ 経営に直接かかわるような枢要なポストにあり、自分の業務に関する裁量と権 限、部下に対する労働条件や人事考課における決定権を持っていること
・厳格な時間管理を受けない者であるかどうか
→ 自分の労働時間を決定する裁量と権限をも持っており、遅刻した程度で減給を行わないこと
・その地位にふさわしい処遇を受ける者であるかどうか
→ 地位にふさわしい処遇(年俸ベースで7~800万円以上といわれます)を受けていること

参考Q&A

「管理職」に残業代を支払う必要はあるのか?

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⑤ 裁量労働制を導入する。

作業の内容や時間配分などについて上司から具体的な指示を行わず、従業員本人の裁量に委ねるような環境である場合、条件がマッチすれば「裁量労働制」を導入することが可能です。裁量労働制の対象となる従業員の所定労働日の労働時間は労使で合意を行った時間とみなされ、思いも寄らぬ残業は生じないこととなります。導入できる職務は法令で定められており、それぞれ以下の通りです。

・専門業務型裁量労働制
(新商品・新技術の研究開発、新聞・出版等の記事の取材・編集、システムコンサルタント、情報処理システムの分析・設計、デザイナー、コピーライター、証券アナリストや弁護士、公認会計士、税理士等の業務、大学での教授研究など)
・企画業務型裁量労働制
(本社および重要な決定を行う支社における企画、立案、調査分析など)

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専門業務型裁量労働制の導入で残業代をカットすることができるのか?

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⑥ フレックスタイム制を導入する。

フレックスタイム制は本来、従業員に始業および終業の時刻を決定させる趣旨の制度ですが、労働時間の多い日と少ない日を平均して月の単位で労働時間を計算することができるため、残業対策として利用することもできます。たとえば、祝日が多い月においては所定労働日が少なくなるため、各日において長めに勤務したとしても、その月の法定労働時間にはなかなか届かず、結果として残業代の支払いが抑制されることになります。

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フレックスタイム制の意外なメリット、デメリットとは。


⑦ 変形労働時間制を導入する。

月末までに次の月の勤務スケジュールを決められる場合、変形労働時間制が非常に有効です。所定労働時間を勤務の予定に合わせ、忙しい日、そうでない日とメリハリをつけて割り振ることができます。 所定労働時間を多く割り振った日であれば、たとえ1日8時間、1週40時間を超えても、あらかじめ定められた時間の労働に関しては時間外労働として扱われず、残業代は発生しません。割り振りはスケジュールの期間を平均して週40時間以内に収めなければいけないため、トータルの労働時間が増えるわけではありませんが、他の週から祝日の労働時間を持ってくることなどもできるため、残業時間の削減効果は相当のものといえます。

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変形労働時間制を残業対策に使うと意外な効果が!


⑧ みなし労働時間制を導入する。

従業員に事業場外のみなし労働時間の適用があれば、実際の労働時間にかかわらず、一律に始業時刻から終業時刻まで(労使協定で定めた時間)を労働したとみなす取り扱いを行うことができます。これにより、事業場外で勤務している間については原則として、残業の問題が生じないことになります。事業場外のみなし労働時間の適用となるのは外勤の営業職か自宅勤務者といった労働時間の把握が難しい業務とされ、以下の条件をすべてクリアした場合に限られます。


(外勤の営業職)
・労働時間の把握が難しい業務であること
・携帯、メールなどで会社から随時連絡を行うものでないこと
・上司など労働時間の管理をするものに帯同するものでないこと
・当日の業務について具体的な指示を受け、事業場外で業務に従事した後、会社に戻るものでないこと


(自宅勤務者)
・私生活を営む自宅で行われる業務であること
・携帯、メールなどで会社と常時連絡を取れる状態におく趣旨でないこと
・会社の具体的な指示により行うものでないこと

参考Q&A

「営業職」に残業代を支払う必要はあるのか?

残業代請求に対し、時効などで支払わない方法はあるのか?


⑨ 法定労働時間、法定休日をフルに活用して残業代を計算する。

一般的な取り扱いとして、週に40時間を超えて労働をさせた場合は法定時間外労働となり、25%の割増を含む時間外勤務手当が発生します。そして、週に1日も休日を与えず全日勤務させた場合は法定休日労働となり、35%の割増を含む休日勤務手当が発生します。ここから例を挙げて、残業代を計算する際に有利な方法をご説明いたします。 まず、土日が休日の会社が土曜休みで日曜だけ勤務をさせた場合に休日勤務手当を支給する会社が多く見られますが、土曜で週1日の休日を確保できているために、本来は休日勤務手当を支払う必要はありません(25%の割増を含む時間外勤務手当の支払いは必要です)。つぎに、土日が休日の会社がもう一日祝日である水曜日を休みとした場合、所定労働時間は残り4日の32時間となります。つまり、その週の所定休日となっていたいずれか1日に8時間勤務させても、他に残業がなければ40時間の枠に収まり、法定時間外労働とはならず、時間給分のみの所定時間外労働となります。 細かい話ですが、年間の休日、祝日の数を数えると少なくない額になるかもしれません。

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残業代を会社にとって有利に計算する方法とは?



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