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残業代を会社にとって有利に計算する方法とは?

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Q.この度当社では給与体系を見直すことになったのですが、これにより、直近の問題となっている残業代を少なくすることはできないでしょうか。ちなみに、最近よく聞く「みなし残業代」は給与が大きく目減りするため、社内での反対が根強く、行うことができそうにありません。
A.給与体系の見直しは残業代を削減するチャンスです。労働条件の切り下げをなるべく避けながら残業代を減らすには、残業代の計算から除外することがで きる手当の比率を上げるか、残業代の計算に含まれる給与の支払い方をやめることで、残業代の支給単価となる時間給を下げる方法があります。また、会社所定の休日日数を減らすことでも同様に残業代を削減する効果が期待できます。これらの対策をもってしてもおよそ従業員側にデメリットがあるように思われますが、説明によっては理解を得られる範囲ではないかと考えます。

1.残業代の基本的な計算方法とは?

① 時間給の単価を出す

残業代の計算は時間給の場合を除き、時間給の単価を計算するところから始まります。ここでは年俸または月給制の計算例を挙げていますが、日給の場合は 「1ヶ月の給与額」を「1日の給与額」に、「1ヶ月の平均所定労働時間」を「1日の平均所定労働時間」にそれぞれ読み替えて計算します。

時間給の単価 = 基準賃金額(A) ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間(B)
基準賃金額(A) = 1ヶ月の総支給額(退職金の前払い、年俸額を便宜的に賞与としたものを含む)- 計算の対象とならない手当
1ヶ月の平均所定労働時間(B) =(365日-年間の所定休日数)×1日の所定労働時間÷12ヶ月

② 残業時間を以下の区分に分け、単価に残業代の割増率を掛けて合計する

次に、タイムカードに記載された残業時間を各区分ごとに合計します。残業時間は1分単位で計算するのが原則でして、よく30分未満の残業を切り捨てているのを見かけますが、基本的に会社の都合で切り捨ててはいけません。ただし、1ヶ月の各区分ごとの合計に1時間未満の端数があるときは30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる取り扱いは例外として、認められています。

所定労働時間が9:00~17:30、土日が所定休日で日曜を法定休日とするケース

労働時間残業手当の割増率深夜労働時間残業手当の割増率
所定時間外
労働
17:30~18:00

残業手当100%

法定時間外
労働
18:00~22:00
土曜 9:00~22:00
残業手当100%
+時間外割増手当25%
22:00~
翌5:00
土曜
22:00~
翌5:00
残業手当100%
+時間外割増手当25%
+深夜割増手当25%
法定休日
労働
日曜 9:00~22:00残業手当100%
+法定休日割増手当35%
日曜
22:00~
翌5:00
残業手当100%
+法定休日割増手当35%
+深夜割増手当25%
③ 計算の過程での端数処理

残業代の計算を行う過程で、1円未満の端数が生じることがあります。端数の処理には以下の通りの基準があり、勝手に切り捨てたりしてはいけません(逆に切り上げる場合は労働者に有利な取り扱いとなるため、認められます)。
・1時間あたりの賃金額および割り増し賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。
・1カ月における時間外労働、休日労働、深夜労働のおのおのの割り増し賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合には50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。

2.残業代を有利に計算する方法

① 残業代の計算から除外できる手当を利用する

会社が残業時間を減らさず、なるべく労働条件の変更をせずに残業代を減らそうとする場合、残業代を計算する際の時間単価を下げるというアプローチがあります。 以下の諸手当は残業代を計算する際の基準賃金額から除外できるため、基本給などに代えてこれらの手当を多く支給すれば残業代を少なくできるということになります。ただし、これらの手当は個人の能力や成果ではなく、条件に該当すれば一律に支給しなければならない性格なので、最近のトレンドからは外れるやり方かもしれません。以下に挙げたもののうち、通勤手当は経費的なものなので当然残業代の支給単価とはなりません。住宅手当は親と同居している従業員以外ほとんどを対象とした住宅費補助の意味合いなので、比較的給与体系に取り入れやすいのではないでしょうか。 また、子育てをしながら働きやすい会社をアピールするために、子女教育手当を活用することなどが考えられます。

残業代

・家族手当 → 扶養家族の人数に応じて支給するもので、扶養家族の有無や人数に関係なく支給するものは該当しない。
・通勤手当 → 通勤に要した実費を支給するもので、実費の額や通勤距離に関係なく一律に支給するものは該当しない。
・別居手当 → 単身赴任などで別居している場合に生活費の補助として支給するもの。
・子女教育手当 → 子供や弟妹などの教育費の補助として支給するもの。
・住宅手当 → 家賃や住宅ローンなど実際に支払っている住居費に応じて支給するもので、住宅の形態ごとに一律に支給するものは含まれない。
・臨時に支払われた賃金 → 結婚祝い金や見舞金、大入り袋など突発的な理由で支給するもの。
・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 → 賞与やインセンティブなどで、年俸制における賞与などあらかじめ支給額が決まっているものはこれに含まれない。

② 残業代の計算に含まれる給与の支払い方をやめる

単純に月給の比率を下げ、賞与の比率を上げれば残業代の計算上は有利になります。会社にとって人件費における固定費の比率が下がり、流動費の比率を高めることに繋がりますので、より有利になるのは間違いありません。しかしながら、毎月の給与は従業員の生活に関わる部分でして、単純に考えることはできません。なお、年俸額の一部を賞与として支給している場合、年俸額を12等分したものが基準賃金額となるため、残業代を減らすことには寄与しません。最近では退職金を分割して月給額に上乗せして、前払いで支給している会社が見られますが、これは残業代の計算上、算入されますので、残業代の額が高くなってしまうこととなります。制度上必要であれば仕方ありませんが、なるべく月給に含めて支払うものを少なくすることが、残業代の計算上は有利となります。また、月給額を少なくして退職金や食費や住宅費の補助など福利厚生などにあてれば、その分残業代の計算上有利になります。

③ 休日の日数を減らす

休日が多ければ多いほど、1ヶ月の平均労働時間が少なくなりますので、その分残業代の計算単価が上がることとなります。すなわち、単純に考えると、休日を少なくすれば残業代の額は安くなることになります。しかし、休日を少なくするのは最近のトレンドには反しています。それでは、「休日」ではなく「休暇」を増やしてみるのはどうでしょうか。休日はそもそも労働義務のない日、休暇は労働義務のある日の労働を(後付けで)免除する日といった違いがありま す。休暇の代表的なものとして年次有給休暇があります。夏休みや年末年始など、全社一斉に休みをとるのではなく、各自休暇をとってもらうといったやり方をできる場合に有効な手法です。休日を休暇とするだけで、残業代の計算単価が下がり、残業代が少なくなる効果が期待できます。

 
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執筆者 社会保険労務士 山本多聞
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