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残業代請求に対し、時効などで支払わない方法はあるのか?

Q. 先日退職した従業員から、約600万円もの未払残業代を請求する旨の内容証明郵便が会社に届きました。もし、この残業代を支払ったことが発覚し、他の従業員に波及するようであれば、会社の運営に支障が出てしまいます。この従業員については、入社の際に残業代は給与に含むと説明し、当人は異義を申し立てず勤務してきたので、そもそも残業代を支払う必要はないと考えております。在職中はずいぶん目をかけて育てていただけに、裏切られた気持ちです。なんとか残業代請求に対し、支払わない方法はないでしょうか。


A. 残業代の請求に根拠がなければ支払う必要はありませんし、または会社側から残業代を計算し直し、減額の申し入れを行うことも可能です。ご相談のうち「残業代は給与に含む」というのは一定時間分の残業代をあらかじめ賃金の一部に含み、実際の残業時間にかかわらず、その残業代を支給する趣旨の労働契約、つまり固定残業代のことかと思います。しかし、固定残業代は基本給と分け、何時間分の残業代に相当するのか、明確に表示しなければ、在職中の異議の有無にかかわらず、主張して残業代の請求額を下げることが厳しいかもしれません。ともあれ、残業代の請求額が大きいだけに、資料を集めて固定残業代の存在の主張はするべきでしょう。残業代を支払わない方法とはなかなかいきませんが、残業代の支払い額を下げるロジックをいくつか提示いたします。


1.まず、時効の援用により残業代を過去2年分までとする。


① 残業代の時効は2年

従業員から過去の残業代を請求された場合、その額が大きくしばしば驚かれることがありますが、残業代の時効は労働基準法(第105条)により2年とされており、残業代の請求を受けた日からさかのぼって2年を超えた残業代につき、会社側が時効を主張(援用)することで、支払いを拒否することができます。これを知らずに残業代の請求に対応すると、過去2年を超え、すでに支払う必要のなかった残業代をそのまま支払ってしまうこともあるでしょう。なお、すでに時効を過ぎた残業代の存在を会社が認めると、時効が完成した後であっても、消滅していた残業代の請求権が復活してしまう場合があるので、注意が必要です。


② 時効は賃金支払日ごとにやってくる

残業代の時効はそれぞれ、各給与支払日ごと(日給、月給など給与形態にかかわらず、給与支払のつど)に開始します。よく間違われるところですが、勤務した日、または給与〆切日ごとではありません。下記の図の通り、入社から2年を経過した従業員であれば、毎月1回、1ヶ月分ずつの残業代の時効が来ていることになります。


※給与が末締め翌月10日払いのケースにおける時効

給与が末締め翌月10日払いのケースにおける時効


③ 会社側に請求が到達しなければ時効は進み続ける

この2年は残業代の請求があった時点からさかのぼって計算することになりますが、民法では意思表示は相手方に到達して初めて効力を生じるとされていますので、従業員が「残業代の請求書を郵送した」「内容証明郵便を送付した」日付けではなく、「残業代の請求書を受け取った」「内容証明郵便が到着した」など、会社側が受領した時点からさかのぼって時効を計算することになります。ちなみに、口頭で残業代を請求することも有効ではありますが、請求の証拠が残らず、のちのち日付などで争いになることも多いため、書面で提出させるようにするべきです。


※郵送日と受領日のズレが問題となるケース

郵送日と受領日のズレが問題となるケース


④ 時効の中断は催告による場合と承認による場合がある

書面や口頭により残業代を請求することを民法では「催告」といい、その日から6ヶ月間に限り、時効の進行を「中断」させる効果があります。時効が「中断」している間はつぎつぎ時効が到来して過去2年を経過した残業代の請求権がなくなっていくということはありませんが、「催告」による時効を「中断」させる効果は一時的なものであり、「催告」を行ってから6ヶ月以内に裁判などで請求を行わなければ、時効の「中断」はなかったものとされます(裁判により請求を行われた場合は時効は「停止」、つまりゼロに戻ります)。その場合、経過した6ヶ月間の時効は本来の時効日に成立することとなります(時効が「中断」している間に再度「催告」を行ってさらに「中断」の期間を延長することは認められません)。


※時効の中断による効果

時効の中断による効果


時効の中断には、残業代を請求された側が請求権の存在を認める「承認」による場合もあります。たとえば、会社側が1円でも残業代の未払いがあることを認めた場合に「承認」とされ、時効が6ヶ月「中断」とされます。あるいは、交渉に入り、少しでも従業員側に妥協し、残業代を支払うということであれば、「承認」による「中断」となります。そこで、「承認」のタイミングを戦術的に後にずらすような手もあるかもしれません。



2.労働時間の計算の特例に該当すれば、残業代の請求額を下げることも可能


① 労働基準法上の管理監督者に該当するか

残業代を請求してきた従業員が労働基準法上の管理監督者であれば、残業時間の計算の対象とならず、そもそも残業代を支払う必要がないことになります(深夜勤務手当の支払いは必要です)。

労働基準法上の管理監督者とみなされるためには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
・経営者と一体の立場にある者であるかどうか
→ 経営に直接かかわるような枢要なポストにあり、自分の業務に関する裁量と権限、部下に対する労働条件や人事考課における決定権を持っていること
・厳格な時間管理を受けない者であるかどうか
→ 自分の労働時間を決定する裁量と権限をも持っており、遅刻した程度で減給を行わないこと
・その地位にふさわしい処遇を受ける者であるかどうか
→ 地位にふさわしい処遇(年俸ベースで7~800万円以上といわれます)を受けていること


② 専門業務型裁量労働制の対象者であるか

残業代を請求してきた従業員が専門業務型裁量労働制の対象者であれば、1日の労働時間は労使協定で定めた労働時間となり、タイムカードに記載された労働時間によらず残業代を計算することとなります。

専門業務型裁量労働制の対象者とみなされるためには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
・厚生労働省令によって定める業務(※)に主として従事していること
・職場で労使協定が締結され、所轄労働基準監督署に届け出が行われていること(有効期間に注意)
・仕事の遂行の方法および時間配分につき自己裁量に委ねられていること
・労働契約の内容とこれらが矛盾しないこと

※厚生労働省令によって定める業務
「研究・開発職」「システムエンジニア」「記者、編集者、取材スタッフ」「デザイナー」「プロデューサー・ディレクター」「コピーライター」「システムコンサルタント」「インテリアコーディネイター」「ゲームクリエイター」「証券アナリスト」「金融商品開発職」「大学の教授、助教授または講師」「国家資格による専門職」


③ 企画業務型裁量労働制の対象者であるか

残業代を請求してきた従業員が企画業務型裁量労働制の対象者であれば、1日の労働時間は労使委員会で決議した労働時間となり、タイムカードに記載された労働時間によらず残業代を計算することとなります。

企画業務型裁量労働制の対象者と見なされるためには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
・本社、本店、または事業運営に大きな影響を及ぼす計画の策定を行う支社、支店において行う業務である
・対象業務(※)に主として従事していること
・大学等を卒業して3~5年の職務経験があること
・労使委員会で決議し、所轄労働基準監督署に届け出が行われていること(有効期間に注意)
・仕事の遂行の方法および時間配分につき自己裁量に委ねられていること
・労働契約の内容とこれらが矛盾しないこと

※対象業務の例
「新商品、新技術の研究開発」「情報処理システムの分析・設計」「記事の取材・編集」「デザイナー」「放送番組、映画等のプロデューサー、ディレクター」「コピーライター」「システムコンサルタント」「インテリアコーディネーター」「ゲーム用ソフトウエアの創作」「証券アナリスト」「金融商品の開発」「公認会計士」「弁護士」「建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)」「不動産鑑定士」「弁理士」「税理士」「中小企業診断士」「大学での教授研究」


④ 事業場外のみなし労働時間の適用があるか

残業代を請求してきた従業員に事業場外のみなし労働時間の適用があれば、実際の労働時間にかかわらず、一律に始業時刻から終業時刻まで(労使協定で定めた時間)を労働したとみなす取り扱いを行うことができます。これにより、事業場外で勤務している間については原則として、残業の問題が生じないことになります。事業場外のみなし労働時間の適用となるのは外勤の営業職か自宅勤務者といった労働時間の把握が難しい業務とされ、以下の条件をすべてクリアする必要があります。

(外勤の営業職)
・労働時間の把握が難しい業務であること
・携帯、メールなどで会社から随時連絡を行うものでないこと
・上司など労働時間の管理をするものに帯同するものでないこと
・当日の業務について具体的な指示を受け、事業場外で業務に従事した後、会社に戻るものでないこと

(自宅勤務者)
・私生活を営む自宅で行われる業務であること
・携帯、メールなどで会社と常時連絡を取れる状態におく趣旨でないこと
・会社の具体的な指示により行うものでないこと



3.残業代の請求額から削減できる項目はあるか?


① みなし残業代(固定残業代)の設定があるかどうか

あらかじめ労働契約において、残業代が月給額のうちいくらで、何時間分の残業代に相当するかというのを明示されていれば、その分の残業代は月給に含め支払ったものとして、別途支払う必要はなく、相当の残業代の圧縮効果があります。みなし残業代がいくらで何時間分に相当するかといった設定があいまいな場合においては、少しでも多くの証拠を集め、みなし残業代が設定されていることを証明するべきでしょう。

みなし残業代が認められる労働契約の例
 基本給 230,000円
 固定残業代(30時間分)70,000円


② 法定労働時間の特例(44時間)に該当するか

労働基準法により法定労働時間が1週40時間、1日8時間とされている中で、法定労働時間の特例として、以下の業種については法定労働時間が1週44時間となっています。法定労働時間が44時間となると、労働契約において週6日勤務することが義務づけられているような場合、週の労働時間の合計が40時間を超え、4時間分の残業が生じても、残業代を支払う必要はありません(1日8時間を超える労働については通常通り、残業代の支払いが必要です)。

法定労働時間の特例が認められる業種
※事業所(店舗)ごとの従業員数が9名以下であることが必要です。
・商業(卸売業、小売業、理美容業など)
・映画、演劇業
・保健衛生業(病院、診療所など)
・接客娯楽業(旅館、飲食店など)


③ 相手の残業代請求の根拠となる残業時間は疑ってかかるべき

従業員が残業代を請求する際は一般的に、タイムカード(または手元の資料)により、始業時間から終業時間まで(休憩時間を除く)時間をすべて労働したものとして労働時間を見積もってきますが、そもそもその間に仕事をしていたかどうかということについては検証されていません。入退社記録やパソコンのログイン記録など、会社側に、勤務時間中に仕事をしていなかったことを立証する資料があれば、その分は労働時間と認めない主張をすることができます。また、就業時間後の残業についても、36協定や残業命令書、他従業員のタイムカードなど、残業を会社の命令によらず(禁止していたにもかかわらず)行っていた事情を立証することができれば、その分の残業代は支払わないことができます。



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